- 1. ASPとは
- 1.1 ASPとSaaSの違い
- 1.2 企業におけるASPのメリットとデメリット
- 1.3 企業がASPを導入するメリット
- 1.4 企業がASPを導入するデメリット
- 2. ASPの将来性
- 3. ITコンサルタントは企業のASP導入もサポートできる
- 3.1 ITコンサルタントになる方法
- 4. まとめ
ASP(アプリケーションサービスプロバイダ)はインターネットを介してアプリやソフトウェアを使える技術で、多くの企業で導入が進んでいます。
初期費用を抑えられインストール不要でアプリを利用できるASPは使い勝手が良く、市場でも大きな成長が期待できる技術です。
この記事ではASPの概要や将来性を解説します。最後にはASPの導入を支援できるITコンサルタントについてもご紹介しますので、コンサルティング業務に興味がある方はぜひ最後までお読みください。
ASPとは
ASPとはアプリケーションサービスプロバイダの略で、インターネットを介してアプリやソフトウェアを提供する事業者のことを指します。
大きな特徴は、アプリを手元のデバイスにインストールする必要がない点です。インターネット環境さえあれば、手元のPCからアクセスするだけでソフトウェアを使うことができます。
ユーザーはアプリのインストールが必要ないので、手元にあるデバイスの容量や性能に配慮する必要がありません。またPCの入れ替えや買い替え時もアプリへの影響がなく、いつでもどこからでもアクセスできます。
ASPは上記のような手軽さが市場のニーズに合っており、今後ますます成長が期待できる技術です。
またASPの多くは複数人での同時アクセスによる操作ができ、リモートワークにも対応できます。
企業の経理や人事といった業務をサポートするASPも増えており、CRMや名刺管理、在庫管理や給与計算システムといったビジネスで欠かせないサービスを導入している企業も多いものです。

ASPとSaaSの違い
ASPと似た言葉でSaaSがあります。この2つは意味合いが似ておりほぼ同義として扱われることもありますが、別の言葉としているケースもあるので注意が必要です。
SaaSとはSoftware as a Serviceの略で、一般的にアプリケーションそのものを指す言葉です。クラウドサービスの1つであるSaaSはインターネットを介して利用できるもので、提供されるサービスやソフトウェアそのものを指しています。
一方でASPはApplication Service Providerの略であり、最後のProvider(プロバイダ)は直訳すると「供給者」や「提供者」です。そのため、ASPはサービスを提供している事業者を指すときによく使われる言葉です。
SaaSはソフトウェア、ASPは事業者と分けているケースもあれば、違うパターンもあります。
サーバーやソフトウェアを1ユーザーごとに1セット用意する「シングルテナント」がASPで、複数のユーザーで共有する「マルチテナント」がSaaSとするケースもあり、メーカーによって若干ズレがあります。
メーカーがASPとSaaSをどう定義づけているかは、事前の確認が必要です。
企業におけるASPのメリットとデメリット
ASPの利用について、企業のメリットとデメリットを解説します。
企業がASPを導入するメリット
・ 導入コストを抑えられる
・社外からでも簡単にアクセスできる
ASPサービスは、利用にあたって社内のデバイスにインストールする必要がなく、PCのスペックが影響しません。また社内サーバーを構築したりライセンス費用を払ったりというコストもかからないので、導入コストを抑えることができます。
またASPの多くは月額制となっており、月によって費用が大きく上下することがほぼありません。保守や点検、メンテナンスといった費用もかからないため、コストの見通しが立てやすい点もASPのメリットです。
また社外からもアクセスできるASPなら、リモートワークにも対応できます。働き方改革や生活様式の変化でリモートワークが浸透し始めていますが、社外からアクセスできないシステムの場合、従業員は出社するしかありません。
しかしASPなら社外からもアクセスできるので出社の必要がなく、働き方改革に貢献してくれます。
企業がASPを導入するデメリット
・インターネット環境が必須である
・柔軟なカスタマイズはできない
・サービスが終了するリスクがある
ASPはインターネット環境に依存しています。何らかのトラブルでインターネットが切断されてしまうと、その間はASPサービスが利用できません。
またアクセスが集中する時間はつながりにくくなる、環境によって動作速度が落ちるといったリスクは、ASPのデメリットです。対策として、導入を検討しているASPサーバーと社内ネットワークの環境が合っているか事前にチェックすることがポイントとなります。
また、ASPは提供する事業者が不特定多数のユーザーに向けて開発したサービスであり、自社のために開発されたものではありません。そのため柔軟なカスタマイズや機能拡張は難しいでしょう。
ASPの主導権は自社ではなく提供者にあります。そのため提供者の都合でサービスが終了するリスクがあり、その場合契約者はASPサービスを利用できなくなります。

ASPの将来性
ASPはインターネット環境さえあればサービスを利用でき、企業にとってコスト削減やリモートワークに対応できるというメリットがあります。働き方の変化だけでなく5Gの登場などインターネット環境の進歩もあり、今後ASPを導入する企業はますます増えていくでしょう。
ASPのようなクラウドサービスの市場は年々成長しています。調査によると、2020年度の市場規模は2兆8,750億円、2021年度の市場規模は3兆5723億円です。さらに2025年度には6億8,930億円まで成長が見込まれており、将来性は期待大です。
参照:国内クラウドサービスの市場規模は3.5兆円に拡大
ASPは人事労務や経理だけでなく、ECサイトの構築などに採用されるケースもあります。その際企業では、ASPの選び方や導入、運用ワークフローといった導入前に検討すべきことが多く、市場の成長に伴ってそれらを相談できるコンサルタントの需要も増えるでしょう。
ITコンサルタントは企業のASP導入もサポートできる
クライアントとなる企業の経営戦略に基づき、IT投資計画を策定したり、ASPのような必要なツールの導入・支援を行ったりする「ITコンサルタント」は、社内にノウハウが不足している企業の強い味方です。
DXやデジタル人材の確保など企業におけるIT分野の課題は多く、ITコンサルタントの需要はますます高まっていくでしょう。そのため、ITコンサルタントへの転職・キャリアアップを希望する方が増えています。
ITコンサルタントになる方法
ITコンサルタントになる方法は以下の3つが挙げられます。
・SEからキャリアアップする
・ITコンサルタント職に応募する
・独立してフリーランスのITコンサルタントになる
ITコンサルタントを目指す一般的な方法としてまず考えられるのが、SEからのキャリアアップです。システム開発の下流から実務経験を積んで、要件定義などの上流工程までキャリアアップを続け、ITコンサルタントを目指すというケースは多いものです。
昨今では未経験からITコンサルタントを目指す人も増えています。この場合、高いコミュニケーション能力などがあればポテンシャル採用される可能性もあります。また別業界から転職する場合、以前の業界に関わる分野であれば、ITコンサルタントとして採用されることもあるでしょう。
ある程度ITコンサルタントとしての経験を積んだら、独立してフリーになることもできます。フリーコンサルタントになれば、企業に訪問したりリモートで相談に乗ったりと、自分のスタイルで働ける点が魅力です。

フリーランスのITコンサルタントになった場合、案件は自分で獲得しなければなりません。自分で過去のクライアント企業に営業に出向いたり、プラットフォームを活用したりして仕事を見つけます。
フリーランスのITコンサルタントになりたい方は、ぜひ案件紹介プラットフォーム「Strategy Consultant Bank(SCB)」をご活用ください。選ばれた優秀なフリーコンサルタントが活躍する案件紹介プラットフォームとして、さまざまな案件をご紹介しております。
まとめ
ASPの概要や企業におけるメリット・デメリット、企業のASP導入をフォローできるITコンサルタントについてご紹介しました。
企業を取り巻く環境は大きく変化しています。消費者のニーズやDX、働き方改革などで課題を抱えている企業は増えており、ASPのように手軽に安く利用できるクラウドサービスの需要は高まる一方です。
それに伴い、専門的な立場からアドバイスしてくれるITコンサルタントの需要も高まるでしょう。「企業の悩みを解決したい」「ASPに関するコンサルティングを行いたい」という方は、ぜひITコンサルタントを目指してみてはいかがでしょうか。