- 1. クラウドコンサルティングとは
- 2. 国内企業でクラウドコンサルティングが求められる背景
- 2.1 クラウドサービスを利用している企業は約6割
- 2.2 DXの推進
- 2.3 働き方の多様性
- 3. クラウドコンサルタントになるメリット
- 3.1 需要が高く将来性が期待できる
- 3.2 キャリアアップできる
- 4. クラウドコンサルタントになる方法
- 4.1 コンサルタント職への転職・異動
- 4.2 フリーのコンサルティングとして独立する
- 5. まとめ
クラウドコンサルティングとは、クラウドサービスの導入を検討している企業(クライアント)に対して、目標を設定したりアドバイスをしたりとサポートする業務です。
昨今では企業・個人両方でクラウド化が進んでいます。企業の場合はDXやリモートワークの浸透なども影響しクラウド化を検討するものの、社内にノウハウがなく難航しているケースも少なくありません。
今後もクラウド化は進むとみられており、クラウドコンサルティングの需要もさらに高まるでしょう。
この記事ではクラウドコンサルティングについて、主な業務や将来性を解説します。最後にはクラウドコンサルタントになる方法もご紹介しますので、興味がある方はぜひ最後までお読みください。

クラウドコンサルティングとは
クラウドコンサルティングとは、企業におけるシステムのクラウド化や業務の移行、クラウドシステムの構築について、導入のサポートやより高い成果が出るようアドバイスする仕事です。
多くの企業では様々なシステムを連携させ、独自のネットワークを構築しています。何十年にもわたりシステム化を進めてきた結果、構造が誰にもわからない“ブラックボックス”化しているケースも多く、クラウド化にしたくても一筋縄ではいかない企業は多いものです。
上記のようにクラウド化に難航している企業に対し、クラウドコンサルタントはヒアリングや課題設定、導入計画やガバナンス・コンプライアンスといった包括的な対応を行い、クライアントとなる企業がスムーズにクラウド化ができるようサポートするのです。
クラウドコンサルティングの主な流れは以下の通りです。
- ヒアリング
クライアント企業の悩みやクラウド化で目指しているもの、ゴールをヒアリングする
- 目標設定
クライアント企業とコンサルタントの間で、明確な目標を決めて共有する。クラウドシステムで実現したいことや適用範囲、解決したい課題を明確にする。
- アセスメント
クライアント企業の現状のシステム構造を調査する。連携したいシステムの仕組みや状況もここで把握する。
- 計画策定
必要なタスクを洗い出し、優先順位をつけてロードマップを策定する。クライアント企業のクラウド化をどのように進めるかを策定したり、コスト計算やマニュアル化をしたりする。
- 導入支援・アフターサポート
クラウドサービスの選定や導入のサポートを行う。実際にクラウドサービスが稼働した後は、運用方法をチェックしたり、従業員のスキルアップを支援したりする
企業の要望や事情によってさまざまですが、クラウドコンサルティングは一般的に上記のように進めます。
クラウドの専門家という立場から企業の課題解決を行うクラウドコンサルティングは、社内でノウハウがない企業からの需要があります。
国内企業でクラウドコンサルティングが求められる背景
国内でもクラウド化は進んでおり、クラウドコンサルティングは今後も需要が増えていくでしょう。クラウドコンサルティングが求められる背景について解説します。
クラウドサービスを利用している企業は約6割
総務省の調査によると、企業におけるクラウドサービスの利用動向について、一部でも利用している企業は2019年時点で約6割となっています。2018年は58.7%だったので、6.0ポイントの上昇です。(※)
※総務省 企業におけるクラウドサービスの利用動向
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r02/html/nd252140.html
主に利用されているクラウドサービスは、ファイル保管・データ共有、電子メールや社内情報共有などが挙げられます。
半数以上の企業がクラウドを導入しているという数字が出ていますが、実はリソースが少ない中小企業ではクラウド化があまり進んでいません。
外部サーバーを利用するクラウドサービスは、オンプレミスのように場所・機能を選ばずに利用でき、資産や保守体制を社内に置く必要がありません。さらにBCPの観点からも、社外にバックアップを置けることは大きなメリットです。
そのためクラウド化に切り替えたいが社内では限界を感じている中小企業が多く、クラウドコンサルティングの需要があるのです。
DXの推進
企業でクラウド化が進む背景の1つには、DXの推進があります。情報活用で企業の新しい価値を創出して競争上の優位性を確立させる「DX(デジタルトランスフォーメーション)」は国が推進しており、どの企業でも課題の1つです。
DXにクラウド化が絶対必要というわけではありませんが、運用コストや導入のスムーズさからクラウドに切り替える企業が少なくありません。DXを進めるにあたり、ほとんどの企業がクラウド化を検討するでしょう。
DXの目的の1つに、社内でレガシー化した“ブラックボックス”の改善もあります。企業のシステムやあり方を見直した結果クラウド化に行き着いた企業にとって、クラウドコンサルティングを行ってくれる人は強力な味方と感じるものです。
働き方の多様性
コロナ禍における生活様式の変化により、リモートワークが推進されるようになりました。旧来のオンプレミスでは社外からネットワークにアクセスできません。そのため、特定の業務や部署の従業員だけ、定期的または毎日の出社が必要でした。
しかしクラウド化することで社外からもアクセスでき、自宅やカフェといった別の場所からも操作できます。社外からもアクセスできる点はリモートワークにとって必須事項であり、このためにクラウド化を検討する企業も増えています。
上記のように複数の要因からクラウド化を検討する企業は増えており、クラウドコンサルティングの需要も増えていくでしょう。

クラウドコンサルタントになるメリット
クラウドコンサルタントになると、以下のメリットが期待できます。
- 需要が高く将来性が期待できる
- キャリアアップできる
それぞれについて、順番に解説します。
需要が高く将来性が期待できる
国内でもクラウド化を検討する企業は増えています。前述の通りDXやリモートワークの浸透といった要因から、「自社のクラウド化を手伝ってほしい」という要望は高まるでしょう。
今からクラウドコンサルタントとして経験を積んで多くのプロジェクトに関わることで、知識や経験を蓄積できます。様々な企業のクラウド化をコンサルティングすることで、自身のキャリア・スキルアップにもつながるのです。
キャリアアップできる
クラウドコンサルティングを行う人は、もともとSEとしてクラウド周りの開発業務に就いていた人も多いものです。IT系コンサルタントはSEの最終キャリアともいわれており、キャリアアップを目指すエンジニアに特におすすめです。
SEはクライアント企業が要望するシステム開発を行いますが、コンサルタントは企業の経営課題を解決することが主な目的です。SE時代とは異なる業務で、より幅広い知識・経験を得ることができます。
クラウドコンサルタントになる方法
クラウドコンサルタントになる方法は、以下の2つが挙げられます。
- コンサルタント職への転職・異動
- フリーのコンサルティングとして独立する
それぞれについて、順番に解説します。
コンサルタント職への転職・異動
現在別の業務に就いているなら、コンサルタント職への転職や、社内で募集があれば異動することでクラウドコンサルタントになることができます。
コンサルタント職が未経験であっても、エンジニアとしての知識や経験があれば転職に有利となります。またコンサルティングに欠かせないコミュニケーション能力が高い人であれば、未経験でもポテンシャル採用してくれる企業もあるでしょう。

フリーのコンサルティングとして独立する
すでにクラウドコンサルティング業務の経験があったり独立志向があったりする方は、フリーランスのコンサルティングとして独立するのも1つの方法です。
コンサルタントになるなら大手のコンサルティングファームに所属すべき、と思われがちですが、そうとは限りません。営業活動やプラットフォームの活用によって、フリーランスのクラウドコンサルタントになることもできます。
フリーランスとしてクラウドコンサルティングを行いたい方は、ぜひ案件紹介プラットフォーム「Strategy Consultant Bank(SCB)」をご活用ください。優秀なフリーコンサルタントが活躍する案件紹介プラットフォームとして、さまざまな案件をご紹介しております。
まとめ
クラウドコンサルティングについて、主な業務内容と将来性、クラウドコンサルタントになる方法をご紹介しました。
企業と個人の両方でクラウド化が進んでおり、特に企業は複雑な自社システムをクラウド化で刷新したいと考えている場合も少なくありません。
DXの追い風もあり、クラウドコンサルティングはますます需要が増えていくでしょう。
専門的な知識と経験を積めば、多くの企業から頼りにされるクラウドコンサルタントになり、理想とするキャリアや収入を目指すことができます。