外資系戦略コンサルティングファームとして、世界50か国以上にオフィスを持つBCG(ボストン コンサルティング グループ)。
国内でもトップファームとして名を馳せるBCGの出身者は、転職や起業など華々しくキャリアアップしています。
この記事ではBCGから転職後のキャリアについて、実際の出身者を基にご紹介します。
BCGからの転職・フリーコンサルとして独立を考えている方は、ぜひ最後までお読みください。
またBCGでも採用している「アラムナイネットワーク」について、その概要やBCGにおけるネットワークの特徴も解説します。
出身者に学ぶBCGから転職した後のキャリア
BCGから転職した後について、以下の4つのキャリアをご紹介します。
- BCGから日本法人の執行役員へ転職(岩下 充志氏)
- BCGからコンサルティングファームを起業(島田 直樹氏)
- BCGからスタートアップ企業の執行役員へキャリアアップ(前川 智明氏)
- BCGからスタートアップ企業のCFOとして転職(武地 健太氏)
BCGから日本法人の執行役員へ転職(岩下 充志氏)
岩下 充志氏は東京大学教養学部卒業後、電通やMBAの取得を経てBCGに入社しています。
5年間の在籍中にマネージャーを務め、2007年には日本マクドナルドに執行役員CMOとして転職しました。
マーケティング展開を担い、2010年にはブランドコンサルタントのインターブランドジャパン社長に就任しています。
2013年にはFacebook Japan株式会社の代表取締役に就任し、2015年より日本Microsoft株式会社の執行役ビジネス戦略統括本部長へとキャリアアップを経て、現在はDynamicsビジネス統括本部長(ビジネス戦略統括本部長)執行役として活躍されています。
BCGからコンサルティングファームを起業(島田 直樹氏)
一橋大学商学部卒業後、Apple日本法人に入社した島田 直樹氏。マサチューセッツ工科大学(MIT)スローン経営大学院にてMBAを取得した後、BCGなどを経て2001年にコンサルティングファーム「ピー・アンド・イー・ディレクションズ(P&E)」としてコンサルティングファームを設立しました。
上記と並行して、株式会社日本M&Aセンター社外取締役や上場企業の社外取締役、客員教授などを歴任し、シンガポールのコンサルティング会社にて社外取締役なども務めています。
BCGからスタートアップ企業の執行役員へキャリアアップ(前川 智明氏)
東京工業大学大学院を卒業後、ソニー株式会社を経て2013年にBCGに参画した前川氏。
プロジェクトリーダーとして保険や自動車、消費財系企業の経営戦略やDXに従事した後、2019年にAI技術に強みを持つ株式会社エクサウィザーズへと転職しました。
前川氏は介護分野の新規事業立ち上げやプロダクト開発に携わり、2021年4月からは執行役員兼AIプラットフォーム事業部長を務めています。
BCGからスタートアップ企業のCFOとして転職(武地 健太氏)
2003年に公認会計士試験の二次試験に合格した武地氏は、同年10月よりあずさ監査法人の大阪事務所への入所を経て、2008年にBCGに入社しました。
BCGでは金融や産業財、小売などの業界で事業戦略の策定や会社のターンアラウンド、組織設計のサポートに従事したのち、2016年にfreee株式会社のCFOに就任しました。
現在は専務執行役員パートナーカンパニーCEOとしてキャリアを積んでいます。
上記のようにBCGから転職した人は、起業したり大手企業に転職したりといったキャリアを選ぶ方が多いです。BCGに勤めている方は成長志向が強く、自分のスキルや経験・キャリアを高めるためのキャリアアップとして転職を選択しています。

BCGでも採用しているアラムナイネットワークとは
BCGでも採用している「アラムナイネットワーク」とは、企業とその企業を退職した元従業員で形成されるネットワークのことです。
ラテン語で卒業生・同窓生を意味する“アラムナイ”という言葉はOBやOGと同義語ですが、定年退職した人は含みません。
少子高齢化による人材不足の中、企業はこのアラムナイネットワークに注目しています。
アラムナイネットワークを構築・運用できてれば、「一度退職した人も戻ってきたいと思うほど良い会社だ」という企業のブランディングになりますし、なによりも即戦力となる人材を確保できるためです。
雇用される側としては、起業や転職などのキャリアアップ、ライフスタイルの変化などで一度は会社を離れたものの、社風や待遇に不満がなければ「またこの会社で働きたいな」と思うものです。
BCGのようにアラムナイネットワークがあれば、再雇用を希望する時もネットワーク上でスムーズに意思表示ができます。
BCGでもアラムナイネットワークが構築されており、すでにその数は24,000人に達しようとしています。
BCGの公式サイトによると、アラムナイネットワークで以下の恩恵を受けることができます。
- アラムナイWebサイトやオンラインディレクトリから、BCGニュースや世界中のBCG社員やアラムナイの状況を把握できる
- ソートリーダーシップ記事やバーチャルトレーニングセッションの参加により、最新情報を得られる
- オンラインジョブデータベースや転職相談、キャリアカウンセリングといった支援を受けられる
- 「Worldwide Alumni Day」を毎年世界90都市で開催しており、元同僚たちとのつながりを保つことができる
- 季刊ニュースレーターである「Panorama」や、ソーシャルメディアアクセス等、アラムナイ向けのコミュニケーションへの参加
BCGを退職した人は「アラムナイ」というポジションでBCGとつながりながら、上記のような待遇を受けることができます。
アラムナイネットワークで再就職するメリット・デメリット
アラムナイネットワークで再就職するメリット・デメリットは以下の通りです。
- 仕事や会社への理解が早い
- 面識があるクライアントやメンバーと付き合える
- ポジティブに退職しておく必要がある
- 新しい上司やメンバーと上手く付き合う必要がある
アラムナイネットワークによって再就職する大きなメリットは、その社風や仕事を経験していることです。
未経験の人とは大きく違う点で、会社側からは即戦力としての活躍を期待して採用されます。
またBCGのような超大手コンサルティングファームなら、在職中にお付き合いがあったクライアント企業やファームのメンバーも多く、配置によってはまた一緒に仕事ができます。
デメリットとしては、アラムナイネットワークで再就職を希望した時、会社側は過去の経験や退職理由が大きく影響する点が挙げられます。
不満や対立を抱えたネガティブな退職をしていれば、再就職できないかもしれません。
アラムナイネットワークによって再就職した際は、現職のメンバーとの関わり方や距離感も慎重に進めたほうが良いでしょう。
BCGではアラムナイネットワークが周知されており利用実績もありますが、メンバーや状況によっては社内での振る舞いに悩むことがあるかもしれません。
新しい上司やメンバーと上手く付き合うためには、アラムナイネットワークで事前に交流しておくのがおすすめです。
実際にアラムナイネットワークからBCGへ再就職した平井 陽一朗氏
三菱商事株式会社を経て2000年にBCGに入社した平井 陽一朗氏は、ウォルトディズニー・ジャパン、オリコンCOOなどを経て2012年にBCGに再入社しました。
キャリアは一貫して事業開発に携わっており、特にデジタル活用による新規事業立ち上げ・イノベーションの創出を主導しているコンサルタントです。
そんな平井氏は、アラムナイネットワークでBCGに戻ってきました。
2021年からはBCGのアジア・パシフィック地区のヘッドとして、新規事業のアイデア創出や立ち上げ、大企業のコーポレートベンチャリングを創立・主導しています。
平井 陽一朗氏のプロフィールは、BCG公式サイトにてチェックできます。
→BCG公式 平井 陽一朗氏のプロフィール
まとめ
BCGからの転職について、実際に転職した方のキャリアを基に人気のキャリアパスや、再就職もできるアラムナイネットワークについて解説しました。BCGについてはこちらの記事でもご紹介しています。BCGの年収は?業界トップクラスの年収の理由をご紹介
さらにBCGを含む「外資コンサル MBB」については、こちらの記事にも掲載しています。
外資コンサル MBBとは?各ファームの特徴や年収・セカンドキャリアを解説
BCGという狭き門を通ったコンサルタントは、そのポテンシャル・経歴の高さを多くの会社で評価されます。
キャリアアップとしては転職だけでなく、自分の理想とするビジネスを実現するために起業や独立を選ぶ方も少なくありません。
「フリーコンサルとして、案件探しから自分で行いたい」「自分らしくコンサルティングしてみたい」という方は、独立を検討してみてはいかがでしょうか?
BCGでのキャリアがあれば、フリーコンサルとして高単価案件や非公開求人を紹介してもらうことも可能です。
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