フリーコンサルタントとは?一日の過ごし方とメリット・デメリット

公開日:2022.07.31
更新日:

コンサルティングの需要が様々な分野で高まり続けている現在、フリーランスのコンサルタント(フリーコンサル)として活躍するプロフェッショナルが増加しています。
ただ、フリーランスのコンサルタントとして独立したいと考えていても、具体的な1日の過ごし方、事業会社やコンサルティングファームとの違いなど分からない人も多いかもしれません。
 
この記事では、フリーコンサルの具体的な1日の過ごし方をフリーコンサルの形態ごとにご紹介します。
独立する前に知っておきたいポイントを理解して、あなたもフリーコンサルとしての一歩を踏み出しましょう。

フリーコンサルタントとは

フリーコンサルタントは、独立してコンサルタント業務を提供しているコンサルタントを指します。
基本的には、個人事業主となりますが、法人を立ち上げて事業を展開することも可能です。
いずれにせよ、クライアントと業務委託契約を締結して、サービスを提供します。

フリーコンサルタントの最も大きな特徴は、報酬・業務時間・勤務地などを自由に決定できることです。
このほかにも、次の特徴などがあります。

コンサルティングファーム出身者が有利?

フリーコンサルタントになる経路はさまざまです。
しかし、一般的にはコンサルタントファーム出身者が有利と考えられています。
案件に携わる中で必要なスキルを身に着けられるからです。

例えば、アナリスト・コンサルタント・マネージャーのように、コンサルタントファームでステップを重ねながら経営分析のスキルや業務改善の提案方法などを身に付けられます。
コンサルティングファームの教育制度を活用してスキルを伸ばすことも可能です。

また、クライアントの多くはフリーコンサルタントの経験や実績を重視します。
これらが不足していると、適切なアドバイスなどを受けられないと考えるからです。
コンサルタントファームで勤務した経験は、一定の知識や経験があることを保証してくれます。
この面からも、コンサルティングファーム出身者は有利といえるでしょう。
ちなみに、知識や経験が豊富なフリーコンサルタントは、報酬を高く設定しやすい傾向があります。

専門知識と豊富な経験が必要?

フリーコンサルタントに不可欠なものとして、専門的な知識豊富な経験があげられます。
クライアントの多くは、自社が保有していない問題の解決方法などを求めているからです。
求められる知識や経験はケースにより異なります。
コンサルティング業務の領域は、経営戦略・IT・マーケティング・人事・M&A・事業再生など多岐にわたるからです。
クライアントのニーズに応じた知識や経験などが求められるといえるでしょう。

いずれにせよ、クライアントから知識や経験が不足していると捉えられると、依頼を受けることは難しくなります。

コンサル未経験でもなれる?

フリーコンサルタントは、必ずしも特別な資格を必要としません。
コンサルタント未経験者でもフリーコンサルタントを名乗ることは可能です。
ただし、クライアントから依頼を受けられる保証はありません。
クライアントの多くは、コンサルタント経験者からアドバイスなどを受けたいと考えているからです。
専門的な知識や経験を裏付ける実績などがあれば、コンサルタント未経験者でもフリーコンサルタントとして活躍できる可能性はあります。

例えば、オウンドメディアで知識をアピールして見込み客から信頼を獲得する、最初は無料で案件を受けて実績を積み重ねるなどが考えられます。
経験者よりも道のりは厳しくなりますが、未経験者でもフリーコンサルタントになることはできます。

フリーコンサルタントになるには

実際に案件を獲得するため身に着けておきたい能力などとして以下のものがあげられます。
将来的に独立を考えている場合は、次の点を意識して能力などを伸ばしておきましょう。

営業力は重要

最も重要な能力としてあげられるのが営業力です。
ある意味では、専門的なスキルよりも重要になります。
コンサルタントとしての能力が高くても、営業力が著しく低いと適切にアピールできないため案件を獲得できないからです。
ほとんどのケースにおいて、独立直後は専門的なスキルさえあれば案件が勝手に舞い込んでくる状態ではありません。

まずは、案件を獲得してクライアントの信頼を勝ち取る必要があります。
フリーコンサルタントは、営業力も求められます。

案件の対応能力・スキルを身につける

ただし、営業力さえあればよいわけではありません。
受注した案件に対応できるだけのスキルがないと、クライアントの信頼を失ってしまうからです。
特に、専門分野に関しては高度なスキル・知識が求められます。
自信をもって案件を受けられるまで、独立は控えるほうがよいかもしれません。
また、独立後は基本的に周囲のサポートを受けられなくなります。

各分野の専門家と連携できる体制を構築しておくと、対応できる案件の幅は広がりやすくなります。

3年以上の実務経験があることが望ましい

依頼前のクライアントから信頼を獲得するため、必要になるのが実績です。
ただし、独立直後はアピールできる実績がありません。

そこで重要になるのが3年以上の実務経験です。
大きなプロジェクトなどを経験しているケースが多いため、この程度の実務経験があればクライアントから一定の信頼を獲得できます。
特に、プロジェクトリーダーの経験などは高く評価されるでしょう。

独立前に十分な実務経験を積んでおくことも重要です。

フリーコンサルタントの1日の過ごし方(案件獲得前)

フリーコンサルと一口に言っても、大きく分けて案件獲得・アサイン前と案件獲得後・アサイン中の2つの期間があります。
そして、フリーコンサルとして働くために大事なのが、営業力です。
コンサルティングファームに所属している場合は案件の獲得はマネージャー以上などの職位が高い人が行い、若手は会社に割り振られた案件に従事するというケースが多いと思います。

しかし、フリーコンサルとして働く場合は案件獲得から全て自分で行う必要があります。
どんなに素晴らしい能力があったとしても、クライアントに伝わらなくては案件の獲得はできません。
コンサルタントとしてのスキルに加えて、顧客へのヒアリングや提案資料作り、価格設定、プレゼンテーションと言った営業力がフリーコンサルには求められます。

この項では、案件獲得・アサイン前、営業中の期間の1日の過ごし方についてご説明します。

独立するための準備

一番最初にフリーコンサルとして独立する際には、独立するまでに様々な準備が必要です。
 
まず初めにやるべきことはフリーコンサルのメリットとデメリットを知っておくこと。
収入や時間面などメリットも大きいフリーコンサルですが、もちろん営業の必要性などのデメリットもあります。
そうしたメリットデメリットをしっかり考慮した上で、自分が本当にフリーコンサルとして独立するかを検討する必要があります。
 
次に決めるべきことが、個人事業主として独立するか法人として独立するかです。
コンサルタントとして独立するには、「個人事業主として開業する」方法と「法人を設立する」方法の2つがあります。
両者には手続きや税金・社会保険、責任範囲などの面で違いがあるため、独立前にその違いを理解しておくことが大切です。
詳しくは「コンサルタントが独立する場合のメリットデメリットを解説」の記事をご覧ください。
 
そして更にやっておいた方が良いこととしては、クレジットカード・不動産の賃貸契約をしておくこと、仕事用口座の開設、経理体制の整備が挙げられます。

職務経歴書をまとめる

先述したように、フリーコンサルの場合案件獲得が非常に重要になってきます。
そうした案件獲得の営業の際に必要となってくるのが職務経歴書です。

基本的にクライアントは職務経歴書を見てコンサルタントのスキルや経験を把握して、そのフリーコンサルに発注するか否かを決めます。
もちろん面接なども行われますが、面接に進む前の書類選考も非常に重要となります。
特に近年はフリーコンサルが増える代わりにコンサルと案件のミスマッチも多くなってしまっています。
自社内のコンサルタントを利用する場合は所属部署や所属年数などで大体のスキルや経験を推測することができますが、全く知らないフリーコンサルの場合職務経歴書の情報が、まず最初の判断材料の全てとなります。

コンサルタントとしては優秀でも職務経歴書の見せ方一つで損をしているケースなども散見します。
過去の経験を棚卸しし、アピールできる自分の経験やスキルを見つけ出し、それをどう分かりやすく相手に伝えるかを意識して職務経歴書を作成することが必要です。

案件を探す・面接する

過去の経歴を整理し、職務経歴書を作成したらいよいよ案件探しに入ります。

コンサルタントの求人を自分で探したり、エージェントから紹介されるフリーランス案件に応募したり、直接営業をかけたり、と探し方は様々ですが、昔の同僚や知人からの紹介・新規営業・エージェントの利用の3つが基本的な方法です。
ただ、知人からの紹介や営業などでの案件獲得方法は初めてフリーコンサルを始める人にとってはどちらもハードルが高いかもしれません。

そこで活用するのがフリーコンサルと案件をマッチングさせるエージェントです。
サイト上から自分の経歴などを登録すると経験とスキルに見合った案件を紹介してくれます。
登録は基本的に無料で、登録時の面談からクライアント企業との面談・契約と言った案件獲得までのステップに並走して支援してくれます。
契約に伴う単価や希望条件の交渉など面倒な手続きも代行してくれるのも特徴です。
ただ、エージェントによって紹介可能な案件が異なるため、自分に合った案件を紹介してくれるエージェントを見極めて登録することによって効率良く案件を獲得することができます。
こうしたエージェントに登録して、紹介された案件の面接を受けて案件を獲得するための努力をするのが案件獲得前の過ごし方となります。

フリーコンサルタントになるメリット・デメリット

会社に勤務する場合とフリーコンサルタントとして活動する場合では、働き方や収入などが異なります。独立するメリット・デメリットは次の通りです。

メリット

個人で働くため、勤務地はもちろん、勤務時間、休日などを自由に決定できます。また、受ける案件についても制約はありません。例えば、自宅の近くに事務所を開設する、受注案件を調整して週休3日にするなども可能です。クライアント、収入との兼ね合いは考えなければなりませんが、働き方の自由度は高まります。

また、報酬のすべてが収入になるため、高収入を狙える点も魅力です。基本的には、スキルを高めるなどの努力が収入に直結します。独立前よりもやりがいは感じやすいといえるでしょう。

デメリット

注意したいデメリットとして、収入が安定しにくいことがあげられます。
仕事がなければ収入もなくなるため、住宅ローンやクレジットカードなどの審査は通りにくくなります。
独立前よりも稼げないこともあるでしょう。良くも悪くも実力次第です。

勤務地・勤務時間・休日などを、よく考えて決めなければならない点にも注意が必要です。
特別な強みがないにもかかわらず、クライアントの都合を無視して設定すると案件を獲得しにくくなります。
現実的には、クライアントの意向や競合他社の設定などを加味して働き方を決定することになります。

フリーコンサルタントの案件の探し方は?

独立する前に検討しておきたいのが案件の探し方です。
主な探し方として以下の3つがあげられます。

営業活動をする

基本の方法といえるのが営業活動です。
自ら見込み客にコンサルタント業務を提案することにより案件を獲得します。
手法はさまざまですが、コーポレートサイトのお問合せフォームから提案を行うなどが考えられるでしょう。
いずれにせよ、見込み客に関する情報収集と分析を行い具体的な提案を行うことが重要になります。
受注した案件で結果を残すと継続案件が増えるため、営業活動の労力は小さくなっていきます。

知人から紹介してもらう

知人の紹介も効果的な案件の探し方です。
元同僚や取引先からの紹介などが考えられるでしょう。
紹介の強みは、自身のスキルを活かせる案件を見つけやすいことと見込み客と良好な関係を築きやすいことです。
例えば、共通の知人がいる場合、初回の打ち合わせから一定の信頼を獲得できます。
非常に魅力的な案件の探し方ですが、結果を出せない場合や紹介してもらったクライアントとトラブルになった場合などでは、知人の顔に泥を塗ってしまう恐れがあります。
案件によっては、慎重な対応が必要です。

エージェントを利用する

フリーコンサルタントから注目を集めている案件の探し方としてエージェントの利用があげられます。
ここでいうエージェントは、所定の手続きに従い利用登録を行うことで、スキルなどにマッチした案件を紹介してくれるオンラインサービスです。
単に案件を紹介してくれるだけでなく、継続的な受注につながるサポートなどを受けられる点も見逃せません。
独立にあたり必ずチェックしておきたいサービスのひとつです。

フリーコンサルタントの年収は?

フリーコンサルタントの年収はケースでさまざまです。
年代別に目安を示すと以下のようになります。

若手コンサル(20代前半~20代後半)

20代前半~20代後半は主に若手コンサルタントに分類されます。
この年代の年収は、1,000~1,800万円程度といえるでしょう。
具体的な年収は、案件により異なります。
戦略系の案件などは年収が高くなる傾向があります。
一定の経験を重ねて基本的なスキルを身に付けていれば、若手コンサルタントでも高年収を期待できます。

シニアコンサル(20代後半~30代後半)

20代後半~30代後半は主にシニアコンサルタントに分類されます。
この年代の年収は、1,200~2,400万円程度が目安といえるでしょう。
若手コンサルタントよりも専門的な知識やスキルなどを求められるため年収の相場は高くなります。
また、ニーズも大きくなる傾向があります。

マネージャー以上のコンサル

マネージャー以上の年収は1,800~3,000万円程度が目安といえるでしょう。
対応できる人材が少ないため、シニアコンサルタントよりも報酬の相場は高くなります。

ただし、シニアコンサルタントよりも案件はやや少なくなります。
とはいえ、高年収を狙える点は魅力です。

年収について詳しくは「フリーランスコンサルタントにおける年収の目安と年収を増やす対策」の記事をご覧ください。

フリーコンサルタントの1日の過ごし方(案件アサイン中)


前章までは案件獲得前・営業中の過ごし方をご説明しましたが、では、案件アサイン中の過ごし方はどのようになっているのでしょうか。
この章以降ではフリーコンサルの形態別に、高稼働な日・低稼働な日などの具体的な1日の過ごし方の例をご説明します。

専業フリーコンサルの人の例

フリーコンサルの中には、フリーコンサル一本で活躍している人も数多くいます。
コンサルティングファームで働くよりも、自分の働きたい仕事量、時間に応じて柔軟に働けること、また、高い報酬水準が見込めるといった理由からフリーコンサル一本で独立しているケースが多いです。
このような方々の場合、100%の時間をフリーコンサルに使えるため多様な働き方が可能です。

弊社所属のコンサルタントの方でも、結婚や子育てなど人生の転機をきっかけにワークライフバランスを重視しながらフリーコンサルとして活躍されている人や、将来的な挑戦のために稼働時間は長いながらもしっかりお金を稼いでいる方などがいます。

100%稼働案件の場合

基本的に稼働率が100%の場合は、1日の稼働時間(基本8時間)全てをその案件に割くことをフリーコンサルも了承していることが前提になります。
そのため、働き方もその案件に付きっ切りにで、基本的にはミーティングや作業に主体的に関わっていくことが求められます。
フリーコンサルの中にはフリーコンサルとして働くのとは別に、自分で会社を起業したり、複数の案件を掛け持ちしたりする人もいますが、そのようなことは基本的に認められず、少なくとも平日は参画している案件に100%コミットすることが必須となります。

稼働量については基本100%ですが、案件やフェーズによってはそれを超過する場合もあります。
そうした基本稼働時間を超過した場合の報酬は請求できるケースもあります。

兼業フリーコンサルの人の例

フリーコンサルとして働いている人の中には、独立・起業などを目指して自分の事業を行いつつ、フリーコンサルとして働いている人も多くいます。
また、自分で起業したわけではなくても、アーリーステージのベンチャーで働いており、コンサルティングファーム在籍時に比べて低下した年収を補うためにフリーコンサルとして働く場合もあります。
このような場合、本業が多忙でリズムが安定しないことが多いため、そうした条件に合う案件を探す必要があります。
具体的には、運転資金確保や給料補填のために、隙間時間を見つけて案件(調査・分析、PMO案件など)に稼働率40%~60%程度で入るというケースが多くなっています。

また稼働率だけではなく、MTG頻度が少ない場合には休日などの時間を使って作業ができるような、市場調査系の案件が希望にフィットする可能性が高いです。
100%をコンサルタントとして働くのではなく、稼働率を調整可能なのもフリーコンサルの大きなメリットの一つです。

40-60%稼働案件の場合


稼働率が40-60%の比較的低稼働率の案件の場合、毎日働きつつ1日の稼働時間を40-60%程度の3~5時間稼働に抑えるか、働く日数を1週間に2-3日稼働に抑えるかの2つの働き方が大きく分けてあります。
どちらの場合も時間単位での稼働調整となり、基本稼働時間を超過した場合の給料は請求できます。
このような低稼働の場合の具体的な作業内容については、以下の2つになります。

1つ目は、案件が比較的小規模なため低稼働で賄えるプロジェクトの場合です。
こうした場合は稼働率100%の案件と求められる役割自体は変わらず、プロジェクト全体のモジュール設計・タスクの設計とメンバーとの調整・管理やミーティングのファシリテーション、プロジェクト管理などプロジェクト推進のためのタスクが必要となります。

2つ目は、大規模な案件の一部のタスクの遂行のために低稼働で入る場合です。こうした場合に求められる役割としては、切り出されたタスクのマネジメント、作業設計、調査・分析、各種資料作成などになります。
いずれの場合も稼働率が低いため、別の自分の事業や他のフリーコンサルの案件との掛け持ちも可能になり、常にその案件に従事することを求められるわけではありません。

1日や週の中でフリーコンサルとして働く以外の時間は自分の好きなことに時間を使えます。

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ここでは、フリーコンサルタントの一日の過ごし方を中心に独立する前に知っておきたいポイントなどを解説しました。
高収入を狙えるうえ働き方の自由度も高まりますが、案件を獲得できる保証はありません。
独立前に案件の探し方を見つけておくことが重要です。
年収の低下が心配な方は、エージェントを活用するとよいでしょう。

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