コンサルタントが独立するなら個人事業主?法人?それぞれのメリットデメリットを徹底解説!

コンサルタントとしてのキャリアを考えるうえで、独立して活動することを考える人もいるのではないでしょうか。
独立とは「会社に所属していない状態」を指し、大きく分けて個人事業主として活動する方法と、法人を立ち上げる方法があります。

この記事ではコンサルタントが独立する際の個人事業主と法人の違いや、それぞれのメリット・デメリットをご紹介します。
独立を検討しているコンサルタントの方はぜひ参考にしてみてください。

コンサルタントが独立する際の個人事業主と法人の違い

まず、コンサルタントが独立するにあたって知っておきたい「個人事業主」と「法人」の違いを4つのポイントに絞ってご紹介します。
それぞれどのような違いがあるのか、チェックしてみましょう。
 
違い1. 開業手続き
独立して事業を営むためには開業手続きが必要です。

個人事業主として開業する場合、税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出します。
提出期限は原則、事業を始めた日から1ヵ月以内です。

一方、法人を設立する場合はまず法務局への法人登記(商業登記)が必要です。
法人登記とは会社の概要を公開し法人として認めてもらうための手続きで、法律で義務付けられています。
会社を設立した日から2週間以内に届け出ましょう。
その上で、「法人設立届出書」を税務署に提出します。
提出期限は法人を設立した日から2ヵ月以内です。
 
このように、個人事業主と法人では登記の要否や提出する書類が異なります。
法人登記の申請から登録までには1,2週間程度かかること、資本金や事業年度など事前に決めておくことが多いこと等を踏まえると、法人の方が開業手続きに必要な時間や手間が多くなることが一般的です。
 
違い2. 税金・社会保険など
個人事業主にかかる税金には以下のようなものがあります。
 
●所得税
●個人住民税
●個人事業税
●消費税
 
最も代表的なものは「所得税」で、個人の利益に対してかかる税金です。
所得税は会社員であれば給与から天引きされますが、独立して個人事業主になれば確定申告して自ら所得税を納める必要があります。

「個人住民税」も同様で、確定申告を実施すれば別途申告は不要ですが、基本的には自ら納めなければなりません。
なお「個人事業税」と「消費税」は基本的に独立して初めてかかる税金です。
個人事業税は個人で事業を営む人にかかる税金です。
地方税法等で定められた70業種が対象で、コンサルティング業にもかかります。消費税は前々年の課税売上が1,000万円を超える場合に課せられます。
 
個人事業主が加入する主な社会保険は「国民年金保険」と「国民健康保険」です。
個人事業主になることでそれぞれ厚生年金保険から国民年金保険、健康保険(被用者保険)から国民健康保険への切り替え手続きを行い、自ら保険料を納めなければなりません。
 
法人には以下のような税金がかかります。
 
●法人税
●法人住民税
●法人事業税
●特別法人事業税
●消費税
 
法人税とは法人の利益に対してかかる国税で、本店所在地の税務署に申告します。
 
法人住民税・法人事業税・特別法人事業税は地方公共団体に納める地方税です。都道府県税事務所等や市役所等に申告します。
また法人はたとえ1人社長であっても厚生年金保険と健康保険に加入しなければなりません。
これらの保険料は事業主と加入者で折半します。
法人として独立して給与をその会社から受け取る場合は、保険料の半分は法人が支払い、もう半分は給与から天引きします。
従業員を1人でも雇う場合は労働保険(労災保険、雇用保険)への加入も必要です。
なお、労働保険は原則経営者には適用されません。
 
このように支払うべき税金や加入すべき社会保険の種類が違うことも覚えておきましょう。
 
違い3. 責任範囲
個人事業主と法人では負うべき責任範囲にも違いがあります。
事業における責任範囲には「有限責任」と「無限責任」の2つがあります。
 
有限責任とは、会社が倒産した際などに発生する返済義務が、出資した金額に限定されることです。
 
無限責任の場合、負債額の全てを債権者に返さなければなりません。

個人事業主の責任範囲は、原則無限責任です。
返済義務が生じた場合は、個人の財産を売却するなどしてでも返済する必要があります。
一方で法人の場合、株式会社や合同会社は有限責任であることが一般的です。
例えば、300万円出資して株式会社を設立した場合は、500万円の債務を負っても支払う金額は出資額の300万円で済みます。
 
違い4. 社会的信用
個人事業主より法人の方が社会的信用が高くなります。
法人は前述の通り、法人登記が義務付けられており、会社の基本情報が公示されているため実態が把握しやすいからです。
企業によっては法人としか取引しない企業もあります。
特に、大きな企業と取引する場合は法人の方が契約しやすいでしょう。
また、金融機関から融資を受ける際も法人の方が有利なことが多いです。

コンサルタントが個人事業主で独立するメリット

コンサルタントが個人事業主として独立する主なメリットは以下のものがあります。
 
1.開業費用が安く収まる
2.税金や社会保険で考慮すべきことが少ない
3.青色申告の65万円控除が使える
 
それぞれ詳しく見ていきましょう。
 
メリット1. 開業費用が安く収まる
個人事業主のコンサルタントの場合、開業時にかかる費用が安く抑えられるメリットがあります。
法人を設立する場合、株式会社なら開業手続きのために30万円程度の費用がかかることが一般的ですが、個人事業主の開業手続きに費用はかかりません。
また個人事業主の開業届には印鑑も不要です。以前は押印が必要でしたが、2021年4月以降の「個人事業の開業・廃業等届出書」では押印欄がなくなっています。
このように開業手続きに付随する備品の準備も要らないため、ほぼコストを掛けず開業手続きを済ませられます。
 
メリット2. 税金や社会保険で考慮すべきことが少ない
個人事業主の場合、税金や社会保険の手続きが法人と比べて少なくシンプルです。
開業届や国民年金・国民健康保険への切り替え手続きは必要ですが、その後は所得税の確定申告さえおこなえば大半の手続きはクリアできます。
会計や簿記の知識を持ち合わせているコンサルタントの方は、会計ソフトを利用すれば比較的簡単に確定申告することも可能でしょう。
 
メリット3. 青色申告の65万円控除が使える
個人事業主の所得税では、青色申告することで最大65万円の控除が受けられます。青色申告とは確定申告の方法の一種で、正しく所得税を計算・納税するための制度です。
青色申告にはいくつかの特典がありますが、事業所得または不動産所得から一定額を控除できる「青色申告特別控除」がよく知られています。所得税や住民税のもととなる所得から差し引くことができるので、その分の税負担を軽くできます。
控除できる金額は65万円・55万円・10万円のいずれかです。複式簿記で、さらに「e-Taxでの申告または電子帳簿保存の要件を満たせば65万円の控除が受けられます。コンサルタントは職業柄、会計知識が豊富でITリテラシーの高い方が多いので65万円の控除にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

コンサルタントが個人事業主で独立するデメリット

コンサルタントが個人事業主として独立する場合は、前述のとおり、法人と比べて社会的信用が低い点や、債務を負った際に個人ですべての責任を引き受けなくてはならない点がデメリットとして考えられます。
個人事業主でも発注してくれるクライアントの目処を立ててから独立することで、このリスクは回避できます。ただ、会社に在籍期間に会社の事業と利益相反を起こしてしまうと、訴訟などで社会的な信用を失ってしまうリスクもあります。
会社の就業規則や雇用契約の内容を確認するなどして、無意識のうちに違反してしまわないように最新の注意を払いましょう。

コンサルタントが法人で独立するメリット

コンサルタントが法人で独立するメリットには以下のものがあります。
 
1.大企業と取引しやすい
2.一定以上の利益が出ると税制的に有利
3.大きな債務を抱えるリスクが小さい
 
それぞれチェックしていきましょう。
 
メリット1. 大企業と取引しやすい
コンサルタントが法人として独立する場合、社会的信用が高くなるため大企業と取引できるチャンスが増えます。
特にこれまでに付き合いのない企業と取引する際、社会的信用は重視されるポイントです。
仮にコンサルタントとしての実績が認められ、いざ契約となった場合でも、個人事業主であることを理由に契約を断られてしまう事例はあるようです。
大企業との取引を狙いたい場合は法人としての独立を検討してみましょう。
 
メリット2. 一定以上の利益が出ると税制的に有利
一定以上の利益が出ると、法人のほうが個人事業主より税金が安くなる場合があります。
個人事業主の利益には所得税、法人の利益には法人税がかかりますが、以下のように税率が異なるためです。


所得税では所得が高くなるほど税率が上がる累進課税制度で、最大税率は45%です。
一方、株式会社などの普通法人の法人税率は最高23.20%です。
法人税の方が安くなる目安としては、一般的に年間利益が800万円を超えた辺りと言われています。
ただし、所得控除などの各種条件によってはこの金額の目安が変わるので、税制面から個人事業主か法人化を検討する場合は、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

メリット3. 大きな債務を抱えるリスクが小さい
前述の通り、法人は有限責任です。
大きな債務を抱えた場合でも、返済義務は出資額が上限となります。
個人事業主で独立する場合と異なり、個人の財産で返済しなければいけないリスクを回避できます。
事業規模が大きくなるほど、債務が大きくなる可能性も高くなります。
ある程度の規模でコンサルティング業を展開したい場合や、金融機関などから融資を受ける場合などは法人化を検討すると良いでしょう。

コンサルタントが法人で独立するデメリット

コンサルタントが法人を設立するデメリットは、30万円前後の開業費用がかかることです。
また赤字であっても毎年最低でも7万円の法人住民税の均等割を支払わなければなりません。
健康保険や厚生年金、労働保険の保険料も支払う必要があります。
個人事業主が受けられる青色申告の控除が使えなくなる点もデメリットとして挙げられます。
さらに従業員を雇ったりオフィスを構えたりする場合は、給与や賃料・光熱費などのランニングコストもかかります。

コンサルタントは初期費用が少なく独立できることが魅力のひとつですので、初期費用をなるべく少なく収めたい人は、法人での独立はあまりおすすめできません。

個人事業主で独立するのがおすすめな人

個人事業主で独立するのに向いている人は、小さい規模でコンサルティング業を始めたい人です。
開業費用も抑えられますし、個人で活動するなら経費も少なく済むでしょう。
また、ファームで働いていたときのクライアントと良好な関係を築けている場合も、個人名で発注してくれる可能性があるため、個人事業主のコンサルタントとして活躍できるチャンスがあります。
年間の利益見込みが立たない人にも、個人事業主としての独立は向いています。
法人を設立すると利益が出ていなくてもコストがかかるため、事業が軌道に乗るまでは個人事業主として活動するのも一案です。

法人で独立するのがおすすめな人

年間の利益が800万円以上見込める場合は、法人として独立する方が税制面でメリットがあります。

独立してすぐは利益が少なく、個人事業主として独立する場合でも、軌道に乗って利益が800万円を超えそうな場合は法人化を検討すると良いでしょう。
また取引してもらえそうなクライアントのアテがあり、コンサルの仲間を集めて複数人で独立するような場合は、早い段階で法人設立を検討しても良いかもしれません。

大企業との取引を増やしたい場合も法人として独立するのがおすすめです。
馴染みのあるクライアントから発注して貰えそうな場合でも、会社のルールで法人としか取引できない場合があるためです。

コンサルタントが独立する際の注意点

コンサルタントが独立する際に、注意したいポイントとして以下のようなものがあります。
 
1.案件獲得の目処を立てる
2.外注を検討する
 
スムーズな独立ができるように、それぞれチェックしてみましょう。
 
注意点1. 案件獲得の目処を立てる
コンサルタントとして独立する際は、案件を獲得できる目処が経ってからにしましょう。
コンサルティングファームに所属している場合は、案件を獲得する人と案件を推進する人と担当が分かれていることが一般的です。
しかし独立して1人または少人数でスタートする場合は、既存の案件を進めながら新規案件を獲得し続ける必要があります。
案件獲得の時間や手間を省きたい場合は、フリーコンサルタント向けのマッチングサービスの利用を検討してみましょう。
例えば「Strategy Consultant Bank」なら、有名コンサルティングファーム出身者が仕入れた高単価案件が豊富なので、効率良く優良案件を見つけることができます。
 
注意点2. 外注を検討する
開業や会社設立、経理などの業務は、税理士や社労士などの専門家に外注したほうが効率的な場合があります。
コンサルティング業務に集中したい場合は、早い段階で検討・導入するとよいでしょう。
また、自分だけで案件を受けるのが難しい場合は、外注可能な部分を外部のコンサルタントやベンダーに発注することも検討しましょう。
上手くマネジメントできれば、比較的規模の大きな案件の受注ができるかもしれません。

マネジメント経験がある人は、外注の活用も視野に案件を探してみましょう。

まとめ

コンサルタントとして独立する場合、個人事業主と法人ではそれぞれ特徴やメリット・デメリットが異なります。
スモールスタートしたい人や個人名で案件を受注できそうなら、まずは個人事業主として独立するのがおすすめです。
一方、大企業と取引したい人や一定の利益が見込めそうな人は、法人を設立したほうが有利な場合があります。
それぞれの特徴やメリット・デメリットを比較して、どっちの方が自分に向いていそうか検討してみましょう。
「最初は個人事業主として始めて、軌道に乗ってきたら法人化する」という方法もあります。
いずれにせよ、コンサルタントとして独立するためには案件を獲得しなければなりません。

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